ビジネス方程式崩壊!?適当(テキトー)会社の経営論

仕事をまじめにやらない=お客様の信用をなくし仕事が減っていく

この方程式に異論を唱える人はなかなかいないはずです。

私が以前働いていたことがある会社で、会社のルールもはっきりしていない、仕事もしっかりやらない…

という適当ぶりを発揮しているのにも関わらず、何故か社員の定着率も高く、仕事依頼は増え続ける…

毎年黒字であり続ける謎の”適当会社”……

適当会社の日常

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会社名はもちろん言えないのですが、東京に本社を構え、10年以上の実績を持つ中小企業の一つです。

仕事の丁寧度で言えば、日本は世界トップクラス。

その日本の首都に堂々と10年以上本社を構え続けている適当会社。

普通であれば、より仕事の正確性を求められてもおかしくないはずですが、そんな路線には全くいない。

それでいて黒字であり続ける……

適当な出勤時間

適当会社の出勤時間は、その日の仕事内容によって人それぞれで統一はされていません。

遅く出勤する人もいれば、朝早くに出勤する人とさまざまです。

昼と夜で分かれて働いている会社で、そういう意味では24時間営業ですね。

別にコンビニとかじゃありませんよ(笑)

適当会社は遅刻に関しても他の会社に比べるとかなりテキトー。

一応出勤時間というものはあるものの、その時間しっかりにくる人は少なく、出勤時間=大体の時間として見てる人が多いです。

そこの会社はバイトもいたんですが、遅刻するのはバイトよりも社員という、普通の会社ではありえない感じになっています。

適当な仕事ぶり

中小企業でよくあるのが、社員1人の負担が重すぎる…

明らかなオーバーワークを当たり前とし、その分サービスを安く提供して、収益増加を試みる。

いろんな中小企業を見ても、こんな感じの会社は多いです。

まぁブラック企業ってやつですね。

私が働いていた適当会社もそういう面では他の中小企業と大差はなかったかもしれません。

1人の社員に課す仕事量はなかなか多かったですからね。

だから仕事も自然と適当になってしまうんだろって思われるかもしれませんが、その会社は仕事量が多いとか少ないとか関係なくすべてにおいて適当だったんです。

まるで、適当に仕事をするというルールがあったかのように…

不思議なのは、ブラック企業であるにも関わらず、何故か社員の定着率が高かった…

まじめな人はいらない!?”適当”こそ正義!

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どんな会社でも普通はまじめな人材を選ぶものです。

それは、仕事に対して真摯に向き合うことを正義だと考えてるからです。

私もその意見には、賛成です。

まじめな人のほうが仕事が丁寧だし、仕事を覚えるのも早いでしょう。

一緒に仕事をする上でもまじめというのは武器になるはずです。

ただね…まじめな人がいてはいけない会社……

世の中にはそんな会社もあるんです。

特例中の特例とだけ頭に入れておいてください。

まじめな人が適当会社に染まる瞬間

会社って普通は、いろんな性格の人がいますよね?

几帳面…大雑把…神経質…

まったく正反対の性格の人なんてたくさんいます。

いろんな気質の人が集まって、会社が成り立っている。

だからストレスが溜まる…

もともと自分と価値観が違うタイプの人だと、一緒にいるだけでストレスが溜まるのに、ましてや毎日一緒に仕事をしていく…

精神崩壊の道を歩いてるようなもんです。

私がいた適当会社は、まじめな人が全くいなかったわけではありません。

ただまじめだった人は見事に”適当”へと染まっていきましたが…

適当会社は適当な仕事をしても度が過ぎなければ何も言われません。

適当な仕事ぶりでも結果を出してる会社を見続け、まじめな人は真面目に仕事をしている自分に疑問を感じる

結果、まじめな人がそこまで抵抗もなくあっさりと”適当”へと染まる…

そんな様を多く見てきました。

案外まじめな人はある程度の適当さを望んでいるのかもしれません。

全員がそうではないかもしれませんが、私自身そうであったからこそ確信を持って言えます。

”適当”の統一化

適当な人たちが集まる会社…

一見、ルール無用のまとまりのない会社に見えます。

でも、組織っていうものは、どんなにハチャメチャに見えても、自然と暗黙のルールというものが出来上がるもので…

その暗黙のルールというのが、”適当”であれ、でした。

だから自然と社員たちが”適当”へと染まっていく。

いつからこんな状態になっていたのかはわかりませんが、会社自体は毎年黒字であり続けてるという事実があります。

さらに、社員定着率も高く、仕事依頼も増え続けている。

こんなビジネスの形もありだということを認めざるを得ません。

ビジネス方程式を崩壊させた企業の秘密

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仕事をまじめにやらない=お客様の信用をなくし仕事が減っていく

冒頭でも説明しましたが、この適当会社はこの方程式が当てはまらない。

仕事をしっかりやらない=仕事が増えていく

とまでは言いませんが、適当会社の仕事が年々増加傾向にあったのは確かです。

しかも、今まで述べてきた通り、仕事は適当…

そして、社員定着率も高い…

適当会社の定着率が高い2つの理由

ブラック企業に近い仕事ぶりなくせに何故だか社員が辞めるといったことが少ない。

適当って言うのは、仕事においてもメリットというのはやっぱりあるんですよね。

 

適当なので、ストレスが溜まりにくい

適当でいいというのは、心にゆとりができて、ストレスが溜まりにくいです。

心にゆとりができた結果、動きにも余裕が出て、ミスというものが少なくなる。

完璧を求めすぎると、余裕がなくなり、気を張り詰めた状態になりやすいため、本当に気をつけなければいけない点を見逃してしまい、逆に大きなミスへとつながりやすいです。

適当な人は、必ず視点は細かくではなく、大きく見ています。

だから大きなミスというのは、意外と少ないのです。

 

適当なので、一つのミスが仇とならない

仕事の精度を求める会社は、より完璧に近い状態を求めます。

完璧というのは、実際にはかなりの精神力を消耗します。

その点、適当会社というのは、細かいミスを気にしません。

完璧と比べて適当は、1つのミスが仇となることが少ないのです。

会社全体が適当化しているので、小さなミスで注意する人なんて、ほとんどいません。

どんな完璧を求めた会社だって、必ずミスは見つかりますし、そのミスをいちいち注意されるのとされないのでは精神的な負担が大きく違ってきます。

 

”適当”という、仕事にはマイナスイメージだと思われていたことが、社員には”居心地が良い”というメリットに変わりうることが社員定着率アップの大きな要因かもしれません。

適当会社の仕事増加の2つ理由

適当に仕事をしたらお客様の信用をなくす。

それが普通のはずなんですけどね…

 

そもそもお客様は”完璧”を求めているのか?

仕事を”完璧”にこなす……

実は、お客様にとって”完璧”という優先順位はそこまで高くなかったりするんです。

”完璧>適当”

この式はなかなか崩れるものではありません。

”安い>高い”

高いよりも安い方が良い、これは言うまでもありません。

比べるのは難しいかもしれませんが、

”安い>完璧”

今の時代のお客様の価値観は、こうなっていることが多いんです。

なので、”適当で安い>完璧で高い”

今は、安いということが重点に置かれている世の中です。

もちろん、お金など度外視でより完璧なものを求めてる人はいます。

ただ、それは少数派になるんです。

ある程度適当でもより安いものを求める。

つまり、適当だけど安いという適当会社の仕事ぶりは今の世の中に合っているということです。

ちなみに、”完璧で安い”が最強ですが、これは社員にとって、ブラック企業の中のブラック企業であり、人材自体が足りなくなり、成立することが難しいです。

 

ぷちオールマイティという強み

誰だって面倒なことは避けたいですよね?

それはお客様も同じです。

1つの会社で全部済ませられたらなぁ…

今はこんなニーズも高まっています。

適当会社っていうのは、仕事が適当であるがゆえに、1つの分野に特化していません。

広く浅くで多くの分野をこなします。

例えば、業績を上げるために、今まで手を出してなかった、ネット業界に参入しよう!と考えた会社があるとします。

ネット業界というのは、ただサイトを構築しただけでは、そこまで業績アップにつながりません。

WEBサイト、SNS、映像関連…

さまざまな方向から発信していかないと、お客様の集客アップを期待するのは難しくなります。

その時にいちいち、サイト作りはあそこが良さそう、じゃあ映像はどこがいいだろう…

などと考えるのは本当に手間がかかります。

どの業者がどこの分野に強いなどという判断基準も一般の人にはなかなか難しいです。

探すだけで疲れてしまいます。

そこへ、ある会社がうちはそのすべてを引き受けます!

なんて会社が現れたら、お客様の心は完全にそっちに傾くはずです。

しかも、結構安いとくる…

ある程度の適当さには目をつむってしまうでしょう。

1つの分野では勝てない。

でも、素人よりは知識があるし、技術もある程度ある。

広く浅くがモットー…

実は、この程度の人材が多く求められてるのが実情なんです。

まとめ

最近は、”プロ”という質がどの業界も下がってきてるように感じます。

今回紹介した”適当会社”が黒字であり続けるのもそれが理由かなって感じてます。

そもそもがそこまでお客様は”質”を重視してなかったりする。

今の時代は、”安い>質”の式が成り立つ傾向にあるから、本物の”プロ”は淘汰されていってるのかもしれないですね。

質より安さ重視の中国製品が売れてるのも納得ですよね。

まぁでもプロがどれだけ”高い質”を提供してもお客様側がそれに見合う”目”を持っていなければ、その”質”は何の意味もなさないんですけどね。

”質”が低下したんじゃなくて”目”が低下したっていう見方もできるんじゃないかなぁとは思っています。

プロ目線から勝手にカッコいいこと言ってしまいました(笑)

お許しを<(_ _)>